今回は一般的に平均余命といわれる、完全平均余命についてみていきましょう。
生存数をxに関する連続関数とみなしたとき、x歳以上の総生存数を
とすると、これを
と表すことができます。
同様に、仮に0歳以上の総生存数をとすると、これは
となります。
これは0歳から最終年齢までの生存数になるので、すべての生きている人の人数、総人口を表しています。
ここからは、完全平均余命という新しい概念についてついて学んでいきましょう。
完全平均余命はx歳の人があと何年いきることができるかどうかといった期待値を表したものであり、
x歳以上の生存数を用いることにより下記のようにあらわすことができます。
この数理的な式の関係は非常に重要となってくるので覚えておきましょう。
また、
これは、平均の加入年数ともとらえることができ、年金制度における平均加入年数といいます。
ここでこれらの公式を使った問題を見ていきましょう。
問題1★★☆☆☆
・ (t≧0) ・・・①
・ ・・・②
が与えられたときにの値を求めなさい。
必要であれば を用いてもよいとする。【wakuwaku -math オリジナル問題】
◆解答&解説
①の式でt=2を考えてみると、 がなりたち、②より
となります。
これよりが導かれます。これらを用いると、
となるのでこれを計算すると
となるので18.575が答えになります。
問題2 ★★☆☆☆
を完全平均余命を使って表しなさい。
◆解答・解説
Kの分子を変形すると
となる。同様に、Kの分母も変形すると
となる。これより、Kを変形すると
となる。
問題3 ★★☆☆☆ 平均加入年数の問題
x歳の被保険者が (a≦x≦3a), a>0で表される定常状態に達した
企業年金制度があり、a歳の人が脱退するまでの平均加入年数は24年となっている。
ある時点以降、この制度の新規加入者数が半分になってしまった。この時点からa年後
の被保険者の平均年齢は、定常状態であった時と比較すると、何歳か上昇している。
条件:新規加入者はa歳に限る。また、脱退率には変化がないものとする。
(1)aを求めなさい。 (2)被保険者の平均年齢は定常状態と比べると何歳上昇したか求めなさい。
【アクチュアリー年金数理 平成15年 問題1 改】
◆解答解説
(1)
平均加入年数をまずは考えます。
これが、24と一致するため、となります。
(2)
まずは定常状態における平均年齢について考えていく。
それに対して、a年後の平均年齢は
これにより、だけ上昇していることとなる。これに(1)より
を
代入すると、3歳上昇しているということがわかる。
問題3 連合生命における平均余命
(y),(z)がそれぞれ、\(\mu_x=\frac{1}{a-x},(0≦x≦c)\)に従うとき、\(\overset{\small{○}}{e}_{\overline{yz}},(y<z)\)を求めなさい。
◆解答解説
被保険者(y)と(z)の2人のうち少なくとも1人が生き残る長さを求める問題。ただし、y<zという条件かyはzより早く亡くなることに注意が必要。
\(\overset{\small{○}}{e}_{\overline{yz}}=\overset{\small{○}}{e}_y+\overset{\small{○}}{e}_z-\overset{\small{○}}{e}_{yz}\)・・・❶
\(_tp_y=\frac{a-y-t}{a-y}\)/・・・❷
これより
\(\overset{\small{○}}{e}_y=\int_{0}^{a-y}(1+\frac{t}{a-y})dt=\frac{a-y}{2}\)・・・❸
となります。同様に
\(\overset{\small{○}}{e}_z=\frac{a-z}{2}\)・・・❹
が求まります。あとは、
\(\overset{\small{○}}{e}_{yz}\)を求めるだけになります。
\(\overset{\small{○}}{e}_{yz}=\int_{0}^{a-z}{_tp_y・_tp_z}dt\)・・・❺
を求めていきます。積分区間がa-zまでなのはzのほうが年齢が高く、yよりも早く死亡する、つまり連合生命モデルが破られるのが先に死にやすいzが死んだときとなるためです。
❺⇔\(\int_{0}^{a-z}(1+\frac{t}{a-y})(1+\frac{t}{a-z})dt\)
=\(\int_{0}^{a-z}1-(\frac{1}{a-y}+\frac{1}{a-z})t+\frac{t^2}{(a-y)(a-z)}dt\)
=\(\frac{a-z}{2}-\frac{(a-z)^2}{6(a-y)}\)・・・❻
となります。
これより、
\(\overset{\small{○}}{e}_{\overline{yz}}=\frac{a-y}{2}+\frac{a-z}{2}-(\frac{a-y}{2}-\frac{(a-z)^2}{6(a-y)})=\frac{a-y}{2}+\frac{(a-z)^2}{6(a-y)}\)
