今回は、損益計算について見ていきましょう。
問題1 責任準備金をどうやって処理するか ★★★★☆
勤続年数に 10を乗じた額を脱退時に一時金として給付する制度が定常状態に達しているとする。期初 y 歳の従業員( 名)の予定脱退者数は
名であるが、ある年度において、期初 y 歳の従業員の脱退がなかった。期末で発生する剰余金(マイナスの場合は不足金)が下記の式になることを示しなさい。
ただし、予定利率をi 、予定新規加入年齢を 、一人あたりの標準保険料を P (期初払)、期初 y 歳の者一人あたりの責任準備金を
とし、財政方式は加入年齢方式とする。なお、当該年齢における従業員の残存によるもの以外の剰余または不足は発生していないものとし、脱退は期末でのみ発生するものとする。
【アクチュアリー 平成24年 過去問 (19) 改】
◆解答解説
期初y歳の従業員の脱退がなかった場合、10×勤続年数を期末に給付するという条件から
・・・❶
❶の額の給付が発生しなかった分の差益が生じる。これより、期初時点の責任準備金に注意し、剰余金(もしくは不足金)を考えると脱退差の式から、
ここで、実際の脱退数\(d_x’=0\)より
より、
・・・❷
が求められる。
ここで、❷部分について考えていく。最終的な選択肢にがないので、ここを消去するために、別の視点を考える必要があります。
が選択肢に記載されているので、
、
の関係式として、ファクラーの再起式もしくは極限方程式を使うという発想を行いましょう。
期初y際の従業員が予定通りに脱退した場合は、この年金制度は定常状態に達しているので、
積立金=責任準備金が成り立つので、
・・・❸
が成り立ちます。
これより、
・・・❹
これより、❹を❷に代入し整理すると
となります。
問題2 昇給率がある場合の脱退差 ★★★☆☆
脱退時に最終給与に比例する一時金を支払い、保険料(年1回期初払い)もまた給与比例で積み立てる制度を考える。x歳で加入した被保険者がt年経過した集団について、1年間の脱退者数が予定と異なった場合に発生する損益(プラスの場合は、益)として適切なものはいずれか。一時金の支払いは、期央に発生し、昇給は期末に発生するものとする。
\(b_{x+t}\):x歳で加入し、t年経過した被保険者における給与
\(_{t+1}V_x\):x歳で加入し、t年経過した被保険者における給与1に対する責任準備金
\(l_{x+t}\):x歳で加入した被保険者のt年経過した時点における残存者
\(d_{x+t}\):x歳で加入した被保険者のt年経過した時点から1年間における脱退者数(予定)
\(d_{x+t}’\):x歳で加入した被保険者のt年経過した時点から1年間における脱退者数(実績)
\(α_{t+\frac{1}{2}}\):t年経過した時点から1年間の脱退者に支払う給与1に対する給付
【年金数理人 平成29年 問題13 改】
◆解答解説
脱退差の公式から
となります。