この記事は高校数学Ⅱの微分を学習済みの方を対象としています。
今回は経営学に関する数学活用モデルを入試問題を使って紹介します。ここでは、入試問題が比較的長いため、二つの問題に分割して紹介しています。
問題1 ★☆☆☆☆
M社はブドウを栽培し、それを原料としたワインを醸造(じょうぞう)して世界に販売している。
一般には、企業の業績には、社内の様々な活動だけではなく、社外の要因も大きくかかわっている。
しかしながら、ここでは、問題が複雑にならないよう、一部の活動に限定し、醸造計画を考えてみましょう。
栽培及び醸造において、量と質には、醸造量が増えれば増えるほどワインの品質が低下するという関係があると仮定しよう。これを数式にすると以下のような単純な式になります。
(M社独自の品質関数)
q:質(M社が独自に定めたもの) 、x:醸造量(単位はリットル)、 a、bは正の実数とする。
また、変量xの取りえる値の範囲はxとqがともに正の値となる範囲とする。
ここで、醸造量のとり得る値の範囲を求めなさい。 (2015 慶應義塾大学 改)
解答解説
(a>0,b>0)・・・①
品質は正の値となるのでとする。
つまり、
が導ける。
また、醸造量であるxも正の値をとるため、x>0となるため、
となる。
問題2 ★★★☆☆
問題1の続き
醸造されるワインはすべて同一品質で、同一価格で販売されるものとする。その価格をp(円/リットル)で表す。市場において、品質の高いワインは希少性が増すので。その価格は非常に高いものとなります。
この関係は (cは正の実数)
表されると、M企業は考えている。また、醸造されたワインは、上記で定まる価格で、すべて残らずに販売されてしまうものとする。
M社は、以上の諸条件を前提にして、その年の栽培および醸造をおこなう。すなわち、醸造量をxと決め、それに応じて適切な栽培および醸造を行うことにより、品質の指標がqとなるワインを作り、その全量(すなわちx)を品質の指標qに応じた価格pで販売する。
ここで、売上高=商品単価×数量
(売上高とは商品やサービスを販売する事によって得られる代金のこと。)
とすると、
M社は売上高 (円)を得ることとなる。
(i)売上高は
(リットル)
のとき、最大値
(円)
をとります。
このとき、☐、△、〇、▽、★、●に入る文字、もしくは数字を求めなさい。
(2015年 慶應義塾大学 改)
解答方針
売上高の最大値を聞かれており、その最大値に対応したxも同時に問われている。
このため、のようにyをx(変量)とそのほかの定数のみによって表し、増減表を考えるのがよいと方針を立てる。
解答解説
価格: ・・・②
売上高: ・・・③
②の価格式を③の売上高の式に代入すると、
が導ける。これに①の品質式
を代入すると、
が導ける。よって増減表は次のようになる。

これより売り上げは
のとき、最大値
をとる。