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【年金数理】利元分析① 利差損

今回は、利元分析のうち、利差損益についてみていきましょう。

利元分析とは、剰余金Mもしくは不足金mの発生原因を分析することを指します。

 

まずは利差損益について考えていきましょう。

利差損益は、実際の運用利回りが利率と異なるときに発生します。jを実利率、iを予定利率すると

給付が期初の場合の利差損益    ・・・①

給付が期末の場合の利差損益      ・・・②

を考えます。給付は年末の場合が多いため、②の式を用いることが基本的に多いです。


問題1 ★★☆☆☆ 利差損益・利差損以外の差損

期初責任準備金:1500、期末責任準備金:1800

期初過去勤務債務額:400

保険料総額(標準保険料+特別保険料、期初払い):500

給付(期末払い):250

予定利率;2.5%、実際利回り:1.0%

過去勤務債務額の償却を各期初の過去勤務債務額の20%としている

ある年金制度のある年度の財政状況は上記の通り推移した。この年度において下記を考えよ。

(1)利差損益を求めよ。

(2)利差損益以外の差損益を求めよ。


◆解答解説

(1)期初の責任準備金は1500となっており、これより400を差し引くと

期初の積立金が算出できるため、

となる。これより、利差損益は

となる。

(2)過去勤務債務額の償却を各期初過去勤務債務の20%行っているため、

当年度の勤務債務は400×(1-0.2)×1.025=328となる。

次に、当年度末の積立金を見ていくと

となる。

これより、1800-1366=434となる。これは、U1の実額であり、

U1の実額とU1の予定額との差をとると434-328=106となる。これが当年度不足金となる。

そのうち、24は利差損のため、82の差損が発生している。

 

別解)

積立金は1100⇒となっており、266増加している。これに対して、責任準備金は300

増加している。これにより、ΔV-ΔFは300-266=34となる。

この問題では、ここで当年度の過去勤務債務は計算すると328となっており。前年度の過去勤務債務400-当年度勤務債務328を引くと

72となる。これに34を足すと、当年度不足金が算出できる。

ここから、24をひくと、82の差損が発生していることがわかる。

 


問題2 ★★☆☆☆ 利差損以外の差損

ある年金制度の諸数値が以下のとおりであったとき、この年金制度の予定利率は何%か。小数点第2位を

四捨五入し第1位まで求めなさい。

・期初責任準備金:2,400 ・期末責任準備金:2,500 ・期末積立金:1,960

・給付(期末払):500   ・保険料(期初払):400

・利差以外の差損: 80 ・実際の運用利回り:2.5%

【アクチュアリー年金数理 1次 平成15年度】


解答解説

前年度の積立金をFとすると、

これより、F=2,000であることがわかります。

これより、運用収益は、

となる。

次に、当年度の不足金を求めていく。まずは、責任準備金の伸びを考えるとΔV=100増加していることが

わかる。これに対して、資産は、2000→1960とΔF=-40減少している。

本来は、理論上は100資産が増加しておくべきところ、実態としては、40減少していることから

当年度の不足金は、100+40=140となっている。これは償却このうち、80は利差損以外なので、

140-80から、60が利差損となる。これより、予定利率をiとすると、

から、i=0.05となり、予定利率は、5.0%となります。

 

 

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